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法律相談Q&A

法律相談Q&A

個人 賃貸借関係

建物借賃減額請求の裁判手続はどのようになっているのでしょうか。また、建物借賃減額請求の効力が発生するのはいつでしょうか。
  • 建物借賃減額請求の裁判手続
    (1)調停前置主義
    借地借家法第32条の建物借賃減額請求事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければなりません(調停前置主義、民事調停法第24条の2第1項)。上記調停前置主義は、平成3年10月4日の借地借家法制定の際、民事調停法の一部改正(平成3年10月4日法律第91号)により新たに採用されたものです。
    借地借家法附則(平成3年10月4日法律第90号)第4条本文によれば、建物借賃減額請求に関する規定(同法第32条)は、同法施行日である平成4年8月1日以前に成立した賃貸借契約にも適用されます。
    (2)通常の民事訴訟手続
    調停申立てをしたものの、調停が成立せず、調停に代わる決定(同法第17条)及び調停条項裁定(同法第24条の3)もなされずに終了したとき又は調停に代わる決定に対して異議申立てがなされたとき(同法第18条第2項)は、民事訴訟法に基づいて訴えを提起することになります。建物賃貸借の場合には、借地非訟事件手続と同種の制度が設けられていないからです。
  • 建物借賃減額請求の効力が発生する時期
    建物借賃減額請求の効力は、減額請求者の一方的意志表示が相手方に到達した時に発生します(最高裁判所昭和36年2月24日第2小法廷判決)。
    したがって、上記意思表示の到達時から正当な借賃額が発生していることとなりますので、裁判確定時までの既払借賃額と正当な借賃額との差額計算(借家法第7条第3項)は、上記意思表示の到達時を基準にしてなされることとなります(差額金に対しては、超過金受領時から年10%の利息が付されます)。

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借りているマンションの貸主が破産して破産手続きの通知が来ました。敷金は戻りますか。

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賃貸人が不存在となった場合、賃貸借契約の更新はできますか。
  • 賃貸人が死亡し相続人が全員相続放棄をして不存在になるなど、賃貸人が不存在になった場合、契約条項に規定されている合意更新はできません。
    もっとも、期間の定めのある建物賃貸借の場合、借地借家法26条1項本文の適用により、当事者が期間の満了の1年前から6ヶ月前までの間に、(1)相手方に対して更新しない旨の通知又は②条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(法定更新)。
    なお、法定更新後の賃貸借契約は期間の定めのないものとされ(借地借家法26条1項但書)、当事者はいつでも解約の申入れをすることができます(民法617条1項)。賃借人から解約の申入れを行う場合は、民法617条1項2号により解約の申入れの日から3箇月経過後に契約が終了します。また、賃貸人から解約の申入れを行う場合は、申入れに際し正当事由(借地借家法28条)が必要で、正当事由がある場合には、解約の申入れの日から6月経過後に契約が終了します(借地借家法27条1項)。

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賃貸借契約が法定更新となった場合、連帯保証人の責任はどのようになりますか。
  • (1)民法619条は、賃貸借契約につき黙示の更新がなされたときは、賃借人の提供した敷金以外の担保は消滅する旨規定しており、右趣旨によれば、第三者がなす保証債務も更新後には及ばないとも考えられますが、判決例は、法定更新の場合も原則として連帯保証人の責任が存続することを認めています。
     例えば、法定更新後の連帯保証人の責任について争われた東京地裁昭56.7.28判決は、「借家法の規定を受ける建物賃貸借は期間の更新が原則であり、いわば期間満了と同時に更新の効果が自動的に生じる客観的な制度ともいえるもので、実際においても、賃借権は更新によって存続することは常識化しており、賃貸借の保証債務はほぼ一定のもので、保証人の予想しない多額のものが通常発生しないことからしても、保証人たる第三者といえども、予め、賃貸借が更新により存続することを十分に予想でき、また予想すべきであるから、保証人と賃貸人との間で特約がない以上、原則として、賃貸借更新後も賃借人の債務を保証する責任は存続する」と判示しています。
    また、合意更新に関する事案ではありますが、最高裁平9.11.13判決も「建物の賃貸借は、一時使用のための賃貸借等の場合を除き、期間の定めの有無にかかわらず、本来相当の長期間にわたる存続が予定された継続的な契約関係であり、期間の定めのある建物の賃貸借においても、賃貸人は、自ら建物を使用する必要があるなどの正当事由を具備しなければ、更新を拒絶することができず、賃借人が望む限り、更新により賃貸借関係を継続するのが通常であって、賃借人のために保証人となろうとする者にとっても、右のような賃貸借関係の継続は当然予測できるところであり、また、保証における主たる債務が定期的かつ金額の確定した賃料債務を中心とするものであって、保証人の予期しないような保証責任が一挙に発生することはないのが一般であることなどからすれば、賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである。」と上記東京地裁判決と同趣旨の内容を述べています。
  • (2)もっとも、同最高裁判決は「賃借人が継続的に賃料の支払を怠っているにもかかわらず、賃貸人が、保証人にその旨を連絡するようなこともなく、いたずらに契約を更新させているなどの場合に保証債務の履行を請求することが信義則に反するとして否定されることがあり得る」とも判示しており、また、東京地裁平成10.12.28判決は、同最高裁判決を引用した上で、①賃貸人が、賃借人との間で合意更新に至らず、法定更新となった旨を連帯保証人に直ちに伝えていなかったこと、②賃借人が賃料を延滞しているにもかかわらず、連帯保証人に対しその旨を直ちに伝えていなかったこと、③従前は合意更新の度ごとに連帯保証契約書を新たに作成していたが今回の法定更新の際には連帯保証契約書が作成されなかったこと等を認定し、法定更新後に負担した賃料等の債務については連帯保証責任を負わない特段の事情があったと判示しています。
  • (3)以上を踏まえ検討しますと、契約条項に「丙は、乙と連帯して、契約期間中(合意更新及び法定更新された場合も含む)本契約から生じる乙の一切の債務を負担する」などと記載されているような場合には、「(当初の)賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定め」(上記最高裁判決参照。)があるものと認められ、法定更新後も連帯保証人の責任は存続するものと認められます。
    ただ、賃貸人が不存在となった場合の管理会社としては、念のため、従前の契約期間満了後直ちに、賃貸借契約が法定更新された旨を連帯保証人に通知し、新たに連帯保証人契約をするのが得策と言えるでしょう。

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