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法律相談Q&A
法人 契約関係
下請法の適用を受ける業務委託と適用を受けない業務委託を同一の会社に対して同時に行った場合、親事業者の義務はその取引全体に及びますか。
- 下請法では、優越的地位の濫用行為が行われる蓋然性の高い取引として事業者間の委託取引に着目したうえ、その中でも一定の構造を有する取引(製造委託等)を規制対象としております。
下請法がこのように取引行為に着目して制定されている趣旨からすれば、親事業者の義務も個々の取引行為ごとに発生すると考えられます。
たとえば、下請法における親事業者の義務の一つとして書面の交付義務(法第3条)がありますが、下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(平成15年12月11日公正取引委員会事務総長通達第18号)によれば、上記書面につき「製造委託等をした都度」記載及び交付する必要があるとされており、このことは、個々の取引行為ごとに親事業者の義務が発生することのひとつの証左といえます。
よって、たとえ同時並行的に下請法の適用のある製造委託等を含む複数の外注行為が行われたとしても、下請法が適用されない取引については、親事業者の義務も発生しないのが原則と考えられます。
- もっとも、公正取引委員会の下請法関係の質問コーナーによれば、資本金4億円の事業者が資本金1億円の事業者に対して商品の設計と製造を委託する場合について、製造委託部分は3億円基準で下請法の適用対象となり設計委託部分は5千万円基準のため対象とならないが、これらが一体不可分の取引として発注された場合には、一体として下請法の対象となると述べられております。
また、経済産業省の平成19年6月付情報サービス・ソフトウェア産業における下請適正取引等の推進のためのガイドラインでは、プログラムの作成に至る情報システムの企画・設計、プログラムの作成等の個別業務を組み合わせて一括して取引する場合、個別業務のうちいずれかの委託だけが下請法の対象となる場合があり得るが、これらを一体不可分の取引として委託する場合には、いずれかが該当すれば、当該取引は下請法の対象となると述べられています。
このように、複数の取引が一体不可分の取引といえる場合には、その中に下請法の適用がない取引が含まれていたとしても、取引全体として下請法の適用を受けることになるので、注意が必要です。
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