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法律相談Q&A
法人 株主総会・取締役会関係
テレビ会議方式による株主総会は可能でしょうか。
- 会社法では、旧商法のような招集地に関する規制が廃止され、会社法施行規則上、株主総会議事録に「株主総会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が株主総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)」の記載が必要となる旨の規定(会社法施行規則72条3項1号)が置かれているのみです。
したがって、取締役は、株主総会の開催場所について特に定款に定めを設けることなく自由に定めることができるようになりました。
これには、会議体としての一体性が確保できるような措置が講じられている限り、複数の場所で株主総会を開催することも含みます。なお、かかる措置がなされないまま複数の場所で株主総会が開催された場合には、決議取消しや決議不存在等の問題が生じることとなります。
(なお、「過去に株主総会を開催した場所から著しく離れた場所」を株主総会の場所とする場合には、その理由を明らかにし、招集通知に記載しなければなりません(施行規則63条2号)。)
- 会議体としての一体性が確保できるような措置の具体的内容ですが、複数の会場について、出席者の状況の把握、質問・発言しようとする者の確認、現に発言している者が当該株主であることを確認することができるような措置など、情報伝達の双方向性と即時性が確保されるような措置が必要となります(『論点解説 新・会社法 千問の道標』相澤哲・葉玉匡美・郡谷大輔編著 商事法務)。
例えば、役員らを映写する画面、複数の会場の株主席全体を映写する画面、発言する役員・株主を映写する画面をいずれの会場でも視聴することができ、役員のみならず株主も発言したいときには自由に発言できるようマイクが準備され、その発言を他の会場にも即時に伝えることができるような設備・環境が整っていることが必要となると考えられます。
この点、取締役会の場合には、取締役らはお互いに素性を知っており、発言者が発言の前に氏名を告げれば、たとえその姿が映写されなくてもいかなる人物が発言しているのかはわかりますが、これと異なり、株主総会の場合は、株主がお互いの素性を知っていることは稀であるので、氏名を告げさせるだけでなく、発言者の姿を映写し、それを役員及び他の株主らが視聴できるような措置が必要であると考えられます。
以上のような措置が十分に講じられるのであれば、テレビ会議方式により株主総会を開催することが可能であると考えられます。
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テレビ会議方式による取締役会は可能でしょうか。
- テレビ会議方式による取締役会の開催について、会社法にはこれを規制する規定はなく、会社法施行規則において、取締役会議事録に「取締役会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)」の記載が必要となる旨の規定(会社法施行規則101条3項1号)が置かれているのみです。
- この点、法務省民事局は、テレビ会議の方法による取締役会について、「取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応がよく分かるようになっている場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時適格な意見表明が互いに出来る仕組みになっていれば、テレビを利用して取締役会を開くことも可能である。」(平成8年4月19日法務省規制緩和等に関する意見・要望のうち、現行制度・運用を維持するものの理由等の公表について)との見解を示していますので、これを遵守する限りテレビ会議システムによる取締役会の開催は可能です。
なお、電話会議の方法による取締役会について、「電話会議の方法による…取締役会の議事録は、出席取締役が一堂に会するのと同等の相互に充分な議論を行うことができる会議の議事録として、適式な取締役会議事録と認められる」(平成14年12月18日民商3044号民事局商事課長回答)との見解も示されています。
- この点、法務省民事局は、テレビ会議の方法による取締役会について、「取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応がよく分かるようになっている場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時適格な意見表明が互いに出来る仕組みになっていれば、テレビを利用して取締役会を開くことも可能である。」(平成8年4月19日法務省規制緩和等に関する意見・要望のうち、現行制度・運用を維持するものの理由等の公表について)との見解を示していますので、これを遵守する限りテレビ会議システムによる取締役会の開催は可能です。
なお、電話会議の方法による取締役会について、「電話会議の方法による…取締役会の議事録は、出席取締役が一堂に会するのと同等の相互に充分な議論を行うことができる会議の議事録として、適式な取締役会議事録と認められる」(平成14年12月18日民商3044号民事局商事課長回答)との見解も示されています。
- 以上を踏まえると、常に全取締役の姿がテレビ画面上に映写されるのであれば、相手方の反応がよく分かるといえ、また、発言したいときに自由に発言ができるようマイクが準備されていれば、取締役間の協議と意見交換が自由にできるものといえ、問題はありません。
次に、資料等の説明の際に取締役の姿がテレビ画面上に映写されない場合には、相手方の反応がよく分かるものとはいえず、要件を満たさないのではないかが問題となります。
この点、全く相手方の反応を見ることができない電話会議方式による場合でも、相互に十分な議論を行うことができるものであれば、適式な取締役会と認められるのですから、相手の反応がよく分かるとの要件は必ずしも重要なものではなく、むしろ、取締役間の協議と意見交換が自由にできるという要件こそが重要であるものと考えられます。
したがって、取締役間の協議と意見交換が自由にできると認められるような方式の場合、具体的には、ある取締役の発言が即時に他の取締役に伝わり、これを受けて他の取締役が即時に発言できるなどの音声的な設備が整っているのであれば、たとえ各取締役の姿が常にテレビ画面上に映写されない場合でも、適式な取締役会として認められるものと考えられます。ただ、取締役らが資料等の説明をしている際にも、資料の映写と取締役らの映写を適宜切り替える措置を講じることができれば、より望ましいものといえます。
また、マイクの設置方法ですが、各取締役が発言したい時に自由に発言ができるというものであれば、必ずしも1人1つずつマイクを準備する必要はなく、長机1つにマイクを1つ設置し、そこに取締役2名が着席するという方式でも問題はないものと考えられます。
ただ、マイクをONにしないと他の本店支店に発言内容が伝わらないとの点については、各取締役が自らスイッチ操作するだけで発言が他の本店支店に伝達できるのであれば問題ありませんが、各取締役のスイッチ操作のみならず、本店の事務局による音声切替の操作等が必要となるのであれば、発言したい時に自由に発言ができるものとはいえず、適式な取締役会の開催とは認められない可能性もありうると考えられます。
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株式会社の取締役の賞与はどのように決定されるのですか。
- 旧商法下における委員会等設置会社以外の株式会社の賞与については、報酬ではなく利益処分にあたるものとして、株主総会決議が必要とされていました(平成17年改正前商法第281条第1項第4号、同法第283条)。取締役への賞与は功労報償として利益の一部分配であると一般的に理解されていたためです。
- 会社法では、賞与を報酬等の1つとして明示し、委員会設置会社以外の株式会社について、定款または株主総会決議によって定めることとしました(会社法第361条第1項)。その主な理由としては、(1)賞与も取締役の職務執行の対価と考えられること、(2)会社法では、一定要件を満たす会計監査人設置会社において取締役会決議で剰余金処分が可能となったところ(会社法第459条第1項)、従来どおり賞与を利益処分とすると株主総会決議が不要となってしまうことが挙げられます。
- 上記定款または株主総会決議で定める事項として、会社法は以下の形態ごとに区別して規定しています(会社法第361条第1項)。
第1に、金額の確定したものについてはその額を定めます(同法同条同項第1号)。実務上、定款でこれを定める例は少なく、株主総会決議によって総額の最高限度額を定め、各取締役に対する配分額の決定は取締役会設置会社においては取締役会の決定、取締役会設置会社以外の会社においては取締役の過半数による決定に委ねることが多いとされています。
第2に、金額が確定しないものについては、その具体的な算定方法を定めます(同法同条同項第2号)。その額が会社業績を示す指標等に連動する可変的な定め方がなされる場合などが挙げられます。
第3に、金銭でないものについては、その具体的内容を定めます(同法同条同項第3号。)低賃料による社宅の提供等の現物給付がその例として挙げられます。
なお、同法同条同項第2号又は第3号に掲げる事項の新設又は改定の議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、具体的算定方法ないし具体的内容を相当とする理由を説明しなければなりません(同法同条第2項)。株主としては、具体的算定方法や内容を見ただけではその必要性・合理性が必ずしも明確にならないと考えられているからです。
- 定款または株主総会決議で報酬等の総額の最高限度額を定め、その枠内で個人別の報酬等の決定を取締役会の決議(取締役非設置会社では取締役の過半数の決定)に一任した場合は、賞与がその枠内にとどまる限り、定款の定めまたは株主総会決議は不要です。なお、最高限度額を超えて取締役会(ないし取締役の過半数)が賞与額を定めこれを支給したときは、その超過部分は違法・無効であり、当該取締役の不当利得となるものと考えられます。
- 各取締役の賞与額が具体的に定められた場合、その額は取締役と会社間の契約内容となるので、その後に当該取締役の職務内容に著しい変更があったとしても、同人の同意がない限り、株主総会決議によってその額を減額することはできないと考えられます(報酬について述べたものとして、最高裁判決平成4年12月18日民集46巻9号3006頁)。
- なお、会社法上の委員会設置会社については、報酬委員会が取締役の個人別の賞与の内容に係る決定に関する方針を定め、その方針にしたがって、個人別に、上記第1ないし第3の区別にしたがって、それぞれ確定額、具体的算定方法、具体的内容を決定する必要があります(会社法第404条第3項前段、同法第409条第1項ないし第3項)。
- 参考文献:会社法体系第3巻(江頭憲治郎・門口正人編集代表、青林書院)、会社法コンメンタール8(落合誠一編、商事法務)、Q&A新会社法の要点(第一東京弁護士会総合法律研究所会社法研究部会編、新日本法規出版株式会社)、株式会社法第2版(江頭憲治郎著、有斐閣)
株主総会での株主と役員との質疑応答の内容について、株主総会議事録にはどの程度具体的に記載すればよいでしょうか。
- 会社法施行規則72条3項2号は「株主総会の議事の経過の要領及びその結果」を株主総会議事録の必要的記載事項としている。
株主総会における株主と会社役員との質疑応答の議事録への記載の仕方についてであるが、規定がなく、質疑応答の内容についてどの程度具体的に記載するかは議事録作成者の合理的な裁量によるものと考えられる。
また、役員の回答内容につき議事録に記載すべきかであるが、これも議事録作成者の合理的な裁量によるものと考えられる。
- もっとも、株主総会議事録が「総会に出席できない株主や債権者の閲覧・謄写に供する(会社法318条4項)ことによりこれらの者に権利行使の機会を保障する」(『株主総会の準備事務と議事運営』宮谷隆著 中央経済社)意義を有していることに鑑みれば、議案の審議や報告内容を補足すると思われる事項、株主及び債権者にとって重要な内容と思われる事項等を含む回答について、その要旨を議事録に記載するのが望ましいと言える。
役員の回答の要旨を議事録に記載する場合、議事録本紙の中で記載する方法(「○○氏から…との質問があり、○○取締役は…と回答した。また○○氏から…との質問があり、○○取締役は…と回答した。」など。)、質疑応答の内容について別紙を設けて記載する方法(議事録本紙には「別紙のとおり株主との間に質疑応答があった。」と記載し、別紙において「質問要旨:(○○氏)…について説明されたい。回答内容:(○○取締役)…である。」と記載するなど。)などがある。
- なお、株主の質問に対し、会計参与(または監査役もしくは会計監査人)の回答内容が選任、解任、辞任に関する意見(会社法345条1項、4項、5項)に及ぶ等、会社法施行規則72条3項3号列挙の意見又は発言にあたる場合は、その意見又は発言の内容の概要が株主総会議事録の必要的記載事項となる。この場合、条文上「内容の概要」と規定されている以上、意見又は発言の内容について、ある程度具体的な記載が必要となる。
退職予定取締役が自己の退職慰労金額の決定について代表取締役に一任する決議に参加する場合、特別利害関係人(会社法369条2項)にあたりませんか。
- 質問のケースについて直接判示した判例はありませんが、「株主総会に提出する退職慰労金贈呈議案決定の取締役会決議における退職予定取締役は、株主総会に付議すべき「原案」の決定ではあるが、利害関係の直接性から、特別利害関係人に該当するのであろう」(『会社法コンメンタール 機関[2]』296頁 落合誠一編 商事法務)という考え方があります(森本滋京都大学大学院法学研究科教授)。
この説に従えば、質問のケースの場合、株主総会に付議すべき「原案」の決定よりもより直接的に退職予定取締役が自らの退職慰労金額の決定に関わることとなり、例示のケース以上に利害関係を有することになると思われます。
したがって、退職予定取締役を取締役会決議に参加させるかどうかは最終的には会社の判断によることとなりますが、決議に参加させない方が望ましいものと思われます。
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